ソフトバンクが惚れたあの「配車アプリ」の今

シンガポールのGrabは今も急成長中

シンガポールにあるグラブ本社(写真:Edgar Su/ロイター/アフロ)

シンガポール拠点の配車アプリ会社、Grab(グラブ)。2014年12月にソフトバンクグループが2億5000万ドル(約300億円)を出資し、大株主になったことで日本でも一躍その名を知られるようになった同社だが、あれから2年。日本企業による海外企業への出資はその後の状況が伝えられなかったり、知らないうちに失敗したりしていることが少なからずあるが、グラブはどうなっているのだろうか。

グラブが15億ドル超を追加調達――。3月末、米ブルームバーグニュースは、グラブが近くソフトバンクを中心に、新たに15億ドル(約1600億円)を調達する見通しだと伝えた。ソフトバンクから回答は得られなかったが、グラブは2016年9月にもソフトバンクなど投資家から7.5億ドル(約830億円)を調達しており、今回の追加調達が実現すれば、グラブの企業価値は推定30億ドル(約3300億円)相当になるとみられている。

ソフトバンク出身者が社長に

ソフトバンクがここまで入れあげているグラブは改めてどんな会社だろうか。2012年にマレーシアで誕生し、現在はシンガポールに本社を置くグラブは、東南アジアを中心にスマホを使ってタクシーなどを配車できるサービスを展開。現在はマレーシアやシンガポール、インドネシア、ミャンマーなど6カ国の39都市でサービスを提供している(ちなみに、2014年末時点では6カ国17都市で展開)。アプリのダウンロード数は3600万と、2年前から14倍以上に拡大。現在、1日の予約数は180万件に上るという。

数字を見るかぎり急成長しているグラブでは、昨年10月にソフトバンクの投資部門出身のミン・マー氏が社長に就任している。同氏は2014年にソフトバンクが出資した際の投資チームに参画していたが、現在は「フルタイムで、グラブで働いている」(マー社長)という。

「グラブは、ソフトバンクにとって東南アジア最大の出資案件。孫(正義社長)さんと、アンソニー(タンCEO)は、グラブが社会にどのような価値を提供できるかについて共通のビジョンを持っており、われわれは多くのことについてソフトバンクからアドバイスを受けている」

ソフトバンクがそこまで力を入れる理由は、東南アジアという市場の有望性にあるだろう。約2.5億人の人口を擁するインドネシアを含め、東南アジアの総人口は約6億2000万人と巨大市場だ。しかも、PwCジャパンの調べによると、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国の平均年齢は29.1歳と、日本(46歳)や中国(37歳)に比べて圧倒的に若いうえ、今後はいわゆる「中間層が増えることが見込まれている」(マー社長)。

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