今後「1ドル=125円」は十分可能性がある

為替は円高、円安どっちに向かっているのか

目先は円高の可能性も捨てきれない。だが長い目で投資を考える「草食投資隊」は「1ドル=125円は十分ありうるシナリオ」だと断言する(写真:ロイター/アフロ)

ここへ来て、為替が再び微妙に円高に向かいつつあります。今後は一段の円高になるのでしょうか、それとも円安になるのでしょうか。メディアに登場する識者の中には、円高論者も少なくありません。一部では、1ドル=90円台という意見もあるくらいです。米国のトランプ大統領の就任以降、大きく動いた為替ですが、草食投資隊の3人が、今後の為替動向を分析します。

円が強くなる理由が見当たらない

渋澤:予想どおり、3月15日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では利上げが行われました。マーケット関係者の間では年内に3回、利上げが行われると見られているので、あと2回は利上げされるということです。利上げが材料として市場に織り込み済みなので、短期的な需給関係で円高に振れる可能性があるという見方ができます。が、ファンダメンタルズで考えると、円が強くなる理由が見当たりません。もし需給要因で円高になったのなら、長期投資家にとっては絶好の円売りタイミングですし、円高で輸出企業の株式が売られたとしても、会社の価値創造そのものが大きく変わったわけではないので、むしろ買い場なのではないでしょうか。

中野:この先のおカネとの付き合い方を考えるとき、円高は気にしなくてもよいと思います。QEは行き詰まり、日銀はイールドカーブコントロールなどと称して、ゼロ金利を固定化しようとしています。そして最近は、財政を圧倒的に拡大するというシムズ理論が登場してきました。いずれにしても円は売られる方向だと考えています。

渋澤:シムズ理論を提唱しているクリストファー・シムズ・米プリンストン大学教授はノーベル賞の受賞者ですが、金融政策の行き詰まり感から財政政策への切り替えに都合よく取り上げられているという感じがしますね。

中野:力ずくでインフレにしようという考え方ですよね。長期投資家としては、資産防衛を主軸に置いて戦略を考えるわけですが、問題はどこまで円安と日本の輸出株高のリンクが続くかでしょうね。

藤野:確かに、最近の為替と株価の値動きを見ていると、「円安=輸出株高」というリンクはなくなってきました。ついでに言うと、「米国株高=日本株高」というリンクもなくなってきたように思います。ここに来て、個別企業のファンダメンタルズに注目する動きが強まっていますね。為替については、グローバルで見てリスクオフにならないかぎりは、ドル高が続くでしょう。ただ、唯一の例外として戦争やテロが勃発すると、円高が加速すると思います。

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