日本株の「円高抵抗力」は結構ついている

株価は動かずしばらく「市場は途方に暮れる」

「日本株は、かなり円安にならないと上昇しない」のだろうか(写真:ロイター/アフロ)

「4つの大きなイベント」は、波乱なく通過した

3月5日(日)付の当コラム「日本株の上昇を阻んでいる『4つのイベント』」では、先週に集中していた不透明要因を挙げていた。それらは、1)予算教書の発表、2)FOMC(米連邦公開市場委員会)、3)米債務上限の復活、4)オランダ議会選挙、であった。これらのイベントは、結果として市場に大きな波乱を引き起こすことなく、通過したと言えよう。

2)は後に回して、1)、3)、4)をまず述べると、予算教書については、スパイサー報道官が3月10日(金)の記者会見で、「16日(木)に予算教書を提出する」と述べた。その際、今回の予算教書は骨格のみで、税制改革などは含まれない、と明らかにされた。どういった税制のもとで、どのくらいの税収が上がりそうなのかの見積もりなしに、「予算」など考えようもない。そんな「予算教書」など前代未聞だと言えた。

実際16日に公表された「予算教書」では、税制改革については全く触れられず、目玉として打ち出された非国防予算削減に関しても、対象は裁量的経費だけであって、全歳出の約3分の2に達する義務的経費の削減は述べられていない。すべての歳入・歳出案を含めた予算教書は、5月に提出される、とのことだ。

通常は2月上旬までに提出される予算教書が5月、というのは、どう考えても大幅な遅れだが、前述の当コラムで指摘していたように、トランプ大統領は遅れの言い訳をとっくに始めていた。そのためか市場も、一時のような米政権に対する過剰な期待はなくなり、「どうせダメだろうと思っていたものが、やはりダメだった」と、何の波乱も生じなかった。このように、市場がトランプ政権に対し、過度な期待も失望も持たず、無視しているのは、とても良いことだ。

続いて米国の債務上限については、上限休止を定めていた時限立法が失効し、16日から復活している。ただ、復活の瞬間から米国債がデフォルトする(債務不履行になる)わけではなく、しばらくは財務省がやりくりで泳ぐこともできる。いずれは債務上限を引き上げないと資金繰りに窮するが、デフォルトの懸念を台頭させても、米議会も得るものはなく、早晩上限引き上げがなされよう。やはり市場も特に騒ぐことにはならなかった。

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