猪木、山本太郎、そしてグリーに捧げる言葉 グローバルエリートが参院選の結果を分析

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安倍氏は中国・韓国と関係改善の模索へ

安倍氏は当面経済政策に注力するとのことで(というよりアメリカが怒るのが怖く)、今年の8月15日に自身は絶対に参拝せず、閣僚から麻生太郎氏、高市早苗氏、下村博文氏らが大挙して参拝して、“心の問題”“英霊に感謝するのは当たり前”といった毎度の不誠実な受け答えで相変わらず進歩の無いことをやるだろう。しかしアジア外交冷え込みを警戒する各国メディア報道が強まる中で、日本も韓国も中国も本音は関係改善を企図しているので、安倍氏が長期政権であることを知った隣国も、より腰を据えて関係改善を模索するであろう(というか、そう信じたい。)

ちなみにアジア外交のもつれに関して他誌で、多くの有名な評論家がしたり顔で「中国・韓国の反日教育のせい」と大真面目に書いているのにはひっくり返る。2002年のワールドカップ共催時や2012年初頭までの日韓関係は空前の蜜月期を見せており、これらは2005年の安倍氏が支援した歴史教科書改竄問題や去年と今年の従軍慰安婦をめぐる不誠実な言動と李明博大統領の下手な対応で冷却化したわけだが、この間、韓国の歴史教育はいっさい変わっていない。アジア外交の基礎である過去の謝罪を覆そうという右派政治家の、非生産的な歴史修正主義が、根本的な問題である。

なお、アベノミクスでいえば今後が正念場となろう。金融緩和は言い換えれば債券投資家から株式投資家への富の移転であり、財政拡大は将来世代から今の世代への富の移転(サプライサイドの生産性を高める公共投資をできないという前提)で、言ってしまえば誰にでもできる政策である。今後は自民党の支持基盤である既得権益層にどう切り込むか、という本当に血を流す改革が求められる局面に入ってこよう。

次ページ最後に、グリーへ一言
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