猪木、山本太郎、そしてグリーに捧げる言葉

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業績の急速な悪化にあえぐグリーへ一言

最後に全然政治と関係ないが、ちょうど「東洋経済オンライン」でグリーの業績悪化や海外撤退云々が特集されていたので、“傍から見るとこう見える”というコメントをしたい。

そもそも国内のコア事業がフリーキャッシュじゃぶじゃぶで資本投下も大していらないビジネスだからこそ、株を買った投資家も多いはずだが、グリーは莫大な現金をすさまじいスピードで浪費してきた。SNSやネットゲームのバブルに乗って上場し、一時は時価総額約6500億円まで行ったが、これは実現できない海外進出の泡の夢を投資家に売りつけて実現したバブル価格で、今は3分の1以下に落ちている。

その後、グリーが何も成功した経験のない巨額の海外投資を矢継ぎ早に数多くクローズし、赤字を垂れ流しながらも投資家のカネで企業の高づかみを続けてきた。詳細を見ていないので詳しくは書かないが、海外子会社の減損は今後ますます大きく膨らむかもしれず、購入から1-2年とかで莫大な損失が待ち受けているかもしれない(バランスシートに載っている、のれん代約300億円やその他投資約200億円などは、今実際どれくらいの価値があるのだろう。グリーが少数株主持ち分利益の急落を見ても、どれだけ筋の悪い会社に投資しまくったかを見て取れる)。

その海外事業大損の失敗につながる決断を下したのは、グリーの役職の中で誰なのだろう。経営陣、とくにファイナンスの責任者や失敗に終わった数々の海外投資の最高責任者は、巨額の投資家のおカネを水泡に帰させていることへの責任を深刻に痛感しているだろうか。これは資本投下が大していらないのに大規模の資金調達に成功した企業の、典型的エージェンシーコストといえよう。

たまたま偶然、新興産業に早期に参入し、ベンチャーキャピタルの支援を受けつつ国内コア事業で上場にこぎ着けるのと、ケタ違いの資金を運用して海外子会社投資で成功裏にコングロマリットを形成するのはまったく異なるスキルセットだが、そんなバブリーなエクイティストーリーを書いて投資家に売りつけるほうも売りつけるほうだが、そんな株を買うほうも買うほうである。

今後リストラ態勢に入るので短期的に業績は回復できるだろうが(ちなみに国内単体の膨れ上がった社員数も、海外投資の大失敗と並ぶ大失敗である)、コストカットが一段落したら、伸びないトップラインと高すぎた期待の剥落で長期的に株価は、さらに低迷する可能性もある。

投資家から集めたおカネで実績のない分野で大ギャンブルをする経営陣のエージェンシーコストの高さは、バランスシートが強くキャッシュじゃぶじゃぶの今の日本企業に広く共通する問題なので、早くプラハの街を楽しみたいのにホテルで早朝から、本稿をぶつぶつと書きつづることとした。

グリーには私の友人・知人も関係者に多いので、手心をくわえて今日はこのくらいで勘弁しておくが、これらの苦言は優秀な知人の多いグリーの、さらなる飛躍を祈念した叱咤激励だと前向きに受け止めてほしい(なおこのコラムに時間をかけ過ぎて早朝のプラハツアーを逃してしまった。この怒りもまた、今後のさらなるグリー批判につながることであろう)。

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