米国が頭を悩ます、安倍政権の取り扱い方

歴史認識発言が、米中韓にもたらした波紋

7月3日に開催された党首討論。安倍首相の歴史認識発言が中韓の怒りを呼んだ(写真:ロイター/アフロ

 オバマ政権は、安倍晋三首相に関して難しい舵取りを強いられている。安倍氏のナショナリスト的なアジェンダには距離を置く一方で、日本そのものは極めて重要な同盟国として受け入れている。外交・安全保障上の地雷原となっている北東アジアにおいて、安倍政権をどう扱うかは簡単なテーマではない。

米中央情報局(CIA)は、ワシントンの複数のシンクタンクの専門家に研究を委託している。その研究テーマとは、安倍首相が歴史に関して「修正主義」的な見解を押し出したことで生まれた北東アジアの政治的危機を、どうすれば最もうまく抑え込めるか、についてだ。

研究の詳細については、大ざっぱなことしかわからない。それは米国政府の高官たちが、このところ、極秘情報の「漏洩」に非常に敏感になっているからだ。たとえば、米国では現在、ジェームズ・カートライト大将(元海兵隊大将、米統合参謀本部の前副議長)が、イランの核施設に対する米国のサイバー攻撃についての極秘情報を記者に漏らした容疑で、司法省の取り調べを受けている。ちなみに、カートライト氏は、バラク・オバマ大統領と非常に近しい間柄だ。

現時点で米国のコンセンサスとしては、安倍首相のプラグマティック(実利的)な側面とイデオロギー的な傾向を区別し、実利的な側面には協力する一方で、イデオロギー的な傾向には批判を強めて距離を置く、というのが最善の策だと見ている。

ところが、近頃の安倍氏の発言は、このようなコンセンサスを揺るがしている。安倍氏は今後も北東アジア地域の国際関係を危機に陥れる要因であり続けるのではないか、との懸念が再浮上しているのだ。

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