「TPP交渉は、あっさり決着」と読む理由

吉崎 達彦が読む、ちょっと先のマーケット

TPP交渉は、日本外交が進化するチャンス(日本雑誌協会代表撮影)

マレーシアのコタキナバルで第18回TPP交渉が始まった。とうとうこの会合から、日本が交渉に正式参加することになる。筆者のようなTPP推進派からすると、ここまでが長かったし、紆余曲折はあったし、なんだかんだと批判されたりしたけど、とうとう日本が参加できるのかと思うと、ちょっとした感慨を禁じ得ない。

なぜTPPの正式参加は、7月23日だったのか?

あの菅直人首相(当時)が、横浜でAPECが開催される直前に、これぞ「平成の開国」だとTPP参加を言い出したのが、2010年10月のこと。「私のリーダーシップで行う」などと余計なことを言ったものだから、かえって皆が不安になってしまい、決めるに決められない民主党お得意のパターンに陥った。この間に3月11日の大震災があり、尖閣諸島騒動があり、政権交代があり、アベノミクスがあり、なんと2年と9か月もかかって交渉参加が決まった。

ところがちょっと待て。日本が正式に参加できるのは、来週の7月23日からであるという。それって参議院選挙投票日の2日後じゃないか。これが投票日の前であれば、今頃は大騒ぎになっていただろう。なぜ、そんな針の穴を通すような絶妙の日程になっているのか。

外務省の知り合いに聞いてみた。

「はい、米国議会における90日ルールというものがありますので。日米首脳会談で書簡が交わされたのが2月22日。安倍首相が正式に交渉参加を宣言したのが3月15日。それから日米で事前交渉が始まって、合意文書が発表されたのが4月12日。米国政府が日本の参加を議会に報告したのが4月23日。その90日後ですから、7月23日からになります」

……誰が信じるか、そんな説明。最初から、「今年の参院選は7月21日が濃厚ですよね。だったら、交渉参加は23日くらいになるようにセットしておきましょうか」と、日米で談合したのに相違あるまい。

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