freeeとマネーフォワード、特許係争の内実 真っ向から対立する両社の主張
今年も確定申告の受け付けが始まった。給与天引きされる形で納税している大多数のサラリーマンにとっては縁遠いが、自ら納税額を計算し、納税している個人事業主や中小・零細企業にとっては、1年の中で最も煩わしく、恨めしい季節でもある。
会計帳簿の記帳作業は確定申告には必要不可欠だが、細かく膨大な作業だけに負担は重く、その負担を大幅に軽減させるサービスの需要は大きい。年々進化を続けた結果、近年はインターネット上で帳簿の管理をする「クラウド会計」のサービスも登場している。
ベンチャー企業が法廷闘争へ
その最先端のクラウド会計分野で、最先端を行く2大企業が法廷闘争に突入、両社ともに一歩も退かない展開になっている。訴えたのはfreee。訴えられたのはマネーフォワード。両社ともに日本のフィンテック業界を牽引してきたベンチャー企業である。
どちらもクラウド会計サービスを本業としており、会社設立時期もfreeeが2012年7月、マネーフォワードが同年5月と、ほぼ同じ時期。freeeの佐々木大輔代表が1980年生まれ、マネーフォワードの辻庸介代表が1976年と、両社は代表の年齢も近い。
メディアの扱いはもっぱら、フィンテック2強同士の全面対決という取り上げ方だが、実は知財の専門家からもこの訴訟はひそかに注目されている。というのも、現在進められている、知財紛争に係る特許法改正の動きとリンクするからだ。
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