トランプ政権により不利益を被るのは中国だ

米国の予算教書発表後は一段のドル高円安へ

トランプ大統領とムニューチン財務長官。この二人の為替政策はどうなるのか(写真:ロイター/アフロ)

「他国は資金供給と通貨切り下げで有利な立場にある。日本は通貨安誘導を繰り広げ、米国はばかを見ている」

トランプ米大統領がこのように述べ、直接的に日本の為替政策を批判したのは1月31日のこと。それからたった10日後の2月10日に行われた日米首脳会談では、意外にも米国から日本に対して通商・為替政策に関する注文はいっさいなかった。そればかりか、同首脳会談は日米両国の友好関係を世界に向けて明確にアピールする場となった。

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共同声明には、(1)日米同盟:尖閣問題や北朝鮮問題など安全保障上の問題に関する米国のコミットメント、(2)日米経済関係:金融・経済分野における利益共有や「3本の矢」の推進、日米2国間でのTPP(環太平洋経済連携協定)に代わる貿易・投資の枠組みの検討、(3)本年中のトランプ大統領の訪日、などが盛り込まれた。

また、麻生太郎副総理とペンス副大統領をトップとする「日米経済対話」の新設で合意し、(1)財政政策、金融政策などマクロ経済政策の連携、(2)インフラ、エネルギー、サイバー、宇宙などの分野での協力、(3)2国間の貿易に関する枠組み、の3項目について協議することが決まった。

「インフラ投資銀行」の構想具体化に注目

トランプ大統領によるツイートや気まぐれな発言は今後も続きそうだが、それとは別に、麻生副総理とペンス副大統領といういわば政策のプロ同士で協議できる場が確保できたことは、為替市場にとっても不要なボラティリティーが避けられるという意味でプラスである。今回の会談は日本政府にとって満額回答を得た格好であり、120点の結果だったといってよいだろう。

警戒感から、同首脳会談前にはドル円は一時1ドル=111円台まで円高が進んだが、週明けには安心感が広がり、114円台まで回復する場面も見られた。

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