日経平均2万円は単なる通過点かもしれない

市場をとりまく「ムード」は一変している

結局、日米首脳会談では直近のマーケットを崩すような悪材料はなかった。株価はもう一段上昇するのか(写真:UPI/アフロ)

株式市場をとりまくムードは一変した

株式市場をとりまくムードは一変した、といえるかもしれない。東京証券取引所が発表する投資主体別売買動向で見ると、2月第1週の外国人投資家は、現物・先物で4045億円の売り越し。これほどまでに売るのは、昨年9月第4週以来だ。

一部の外国人ファンド関係者からは、「日経平均株価の今年の高値は1月4日の1万9594円(終値ベース)になるのでは」という意見も出ていた。多くの投資家は買いを手控え、中には空売りを膨らませていた筋も少なくない。

しかし、心配されていた日本銀行の「イールドカーブ・コントロールを柱とする金融緩和」の政策変更懸念は、9日の中曽宏・日銀副総裁の高知での会見で明確に払しょくされた。また、中曽副総裁は日銀の量的緩和策の限界についても明快に否定した。

一方、日米首脳会談を前にして円安の方向観が不透明になる中での日本企業の業績を見ると10-12月期(9-11月期を含む)の売上高は前年同期比マイナス-2.7%だが、経常利益は同プラス7.1%と好調(岡三証券調べ、2月9日現在)。日経平均のEPS(1株利益)も急速に上昇、2月10日現在では1235.11円と、2015年11月30日の史上最高値1275.68円の背中が見えて来た。ちなみに2015年の時は、翌日の同12月1日には日経平均は2万円を超えていた。

さらに、9日の米国においては週間当たりの新規失業保険申請件数が記録的な低水準を記録し、金利は上昇に転じた。トランプ大統領は航空大手の経営トップとの会談で、税制や航空インフラに関連し「2~3週間以内に驚くべき発表をする」と発言したため、ダウは10営業日ぶりに史上最高値を更新し、ナスダックも3日連続史上最高値更新と強い動きを示した。

これを受けた先週末10日の日本株は、まさにムード一変。日経平均は頭を抑えられていた25日移動平均線(約1か月の売買コストを指す)の水準を一気に超えたどころか、逆にこの線から1.4%の上方かい離となった。1日の上げ幅471円は大発会の479円に匹敵するもので、終値1万9378円は大発会の本年最高値1万9594円に迫る位置に来た。「大発会が本年の高値」説を信じて売った向きの買い戻しも入ってきた。

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