若者を使い潰す「ブラックバイト」は、今、そこにある問題だ。私は大学教員として学生がアルバイトに振り回されていることが気になっている。もちろん、経済的に豊かではなく、奨学金やアルバイトに頼らなければ学生生活が成立しない学生が一定数存在する。「ブラックバイト」はそんな学生につけこみ、強引なシフト編成、サービス残業の強要などを行っている。
これまで「ブラックバイト」に苦しむ学生の様子は何度もメディアで取り上げられてきたが、アルバイトを募集し、雇う側の論理が紹介されることはまれだった。リクルートグループで『FromA』『タウンワーク』『とらばーゆ』『ガテン』など数々の求人メディア編集長を歴任してきたツナグ・ソリューションズの取締役、平賀充記氏のインタビューをお届けする。平賀氏はツナグ働き方研究所の所長でもあり、2016年10月に著書『非正規って言うな!』(クロスメディア・パブリッシング)をリリースした。
日本のアルバイトの現場で何が起きているのか?アルバイトに希望はあるのか?
バイト先の社員がむしろブラック労働に苦しんでいる
常見陽平(以下、常見):ご著書の『非正規って言うな!』は大変貴重な本だと思います。アルバイトを30年近くに渡って追い続けてきた平賀さんでしか書けない本です。今日はアルバイトの現場で起きていることを教えてください。
平賀:2016年は電通の自死事件が明るみに出ました。アルバイトの現場でも長時間労働や、まさにブラックバイトと言われるような状況が起こっているのかと思い、アンケート調査を行いました。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら