日本の過剰労働は、「お客様」の暴走が原因だ 理不尽な要求にノーといえる文化を作ろう
電通過労自殺問題をきっかけに、「ブラック企業を許すな!」という声が、日本でますます大きくなっている。ブラック企業の話になると、「企業体質」の問題に焦点が当てられることが多い。長時間労働や、パワハラ上司の存在が当たり前になっているという話だ。しかし、ブラック企業の問題は、それだけではない。サービスを受ける「お客」側も、労働環境の悪化に一役買ってしまっているのが、現状だ。こうした指摘をする、ある会社員の次のようなツイートが、2万6000回以上リツイートされている。
過剰なサービスを要求する「お客様」
あなたも、理不尽な要求をする客にうんざりしたことはないだろうか? 私は以前、家具の販売員として働いていたが、過剰なサービスを要求する客は必ずいた。例を挙げると、次のようなものだ。
「雪が降っている影響で、家具の配送に時間がかかる」と言えば、「値引きしろ!」。「もう閉店時間だから」と言えば、「少しくらいかまわないだろう!」。
これはまさに、ブラック企業ならぬ、「ブラック客」だ。日本ではいつだって、カネをもらっている側の人間は、圧倒的に立場が弱い。なぜ、このような客の振る舞いが許されてしまうのだろうか。
日本のサービスは、「おもてなし」という言葉で表される。大辞泉によれば、「もて成す」とは、「心をこめて客の世話をする」ことを意味する。しかし、心を込めて客の世話をするという意味を、現在は一方的な奉仕をすると理解され、「お客様は神様」の状況になっている。客の立場が異常に高く、サービス提供者がへりくだるという、歪んだ関係だ。
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