日本株は12月6日あたりがいったんピークか これから相場のカギを握るのは銀行株

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ただ、11月28日に発表された同25日現在の投機筋による差し引きの円買いポジションは1万900枚です。円売りにつながる円買いポジションの方が依然として多く残っているというのは確かで、円安が進む可能性も残っています。大昔から「もうはまだなり」という相場格言がありますが、それはコンピュータが機械的に注文を発注する世の中になり、より実践に即した格言なったような気がします。

いずれにしても、前回お話いたしましたように、日本株はこの3年間、12月上旬で頭打ちになってきた経緯があります。今年も足元の上昇スピードだと、株高・円安局面は12月6-8日あたりで一服する可能性が高いかもしれません。

さて、ここで史上最高値更新が続く、米国市場のダウ平均とナスダック総合指数(以下、ナスダック)を考えて見てみましょう。やはり日本株に大きな影響を与えるからです。

ナスダックの上昇はこれから?

1995年以降の長期チャートなどをみるとわかるのですが、NYダウ(工業株30種平均)とナスダック、2つのチャートに大きな違いがあるのをご存知でしょうか。

2008年に起きたリーマンショック以降、同じように上昇してきたわけですが、実はナスダックは2000年のITバブル当時の高値をようやく上抜けたばかりです。一方、NYダウは直前の高値であった2007年高値を上回ってから、すでに35%程度上昇しています。

つまり、今後の上値余地を考えた場合、過去に経験した株価のゾーンから新たなゾーンに入ったばかりのナスダックの方が上値余地は大きいといえます。これは今の米国市場がある意味、物色が変化する分岐点に差し掛かっていることを示唆しているかもしれません。未知のゾーンで何が起きるかはわかりませんが、ヒントはあります。

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