「貧困と無縁」な母子家庭ゆえの苦悩もある 「キャリア系シングル母」3人の壮絶なる闘い

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そんな世間の偏見と闘ってきた百合さんですが、現在は前向きな気持ちで生活できているそうです。「育児には終わりがあります。2人の子どもはもうすぐ私の手を離れ、私は自由になります。もう1度自分の時間が来ると思うと、楽しみで仕方ありません」(同)

さて、ここまで3人のシングルマザーたちの生き方を見てきました。母子家庭という言葉には「貧困」のイメージがまとわりつき、実際、貧困に苦しむケースが多いことは深刻な問題です。しかし、今回の取材を通して、すべての母子家庭がそのイメージに当てはまるわけではなく、しっかりとキャリアを築いて、経済的に自立した家庭もあることを再認識しました。しかし、キャリアを積もうとするがゆえに、特有の悩みにも直面することになります。

それでも、どの女性も「自分の選択は間違っていなかった」と胸を張り、たくましく仕事と子育てを両立していました。

女性が職を持ち続けることの大切さ

現在、結婚や家庭のあり方が多様化しています。今や「家族とはこうでなくてはならない」という、決まった形はありません。また、人生は予想不可能。いつ何があるかわかりません。

離婚をしなくても、夫との死別や、夫が病に倒れて働けなくなる可能性もあります。女性がライフステージのいかなる変化にも左右されずに、働き続けることがいかに重要か、再確認しました。

太田 彩子 「営業部女子課」主宰

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おおた あやこ / Ayako Ota

一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事(「営業部女子課」主宰)。早稲田大学卒業後、リクルート・ホットペッパーの企画営業として社内表彰であるMVP制度にて表彰を複数回受ける。その後独立し、ダイバーシティプロジェクトや女性活躍支援に携わり、のべ5万人以上の女性営業を支援してきた。2009年より営業女子のための応援コミュニティ『営業部女子課』を全国で展開し、営業女子の活躍を目的とした勉強会やイベントを開催。NHK「グラン・ジュテ」や日本テレビ「news ZERO」、日経新聞などメディア出演多数。代表著書に『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)、『営業女子 働き方の基本がわかる教科書』(プレジデント社)などがある。内閣府特命担当大臣表彰「平成28年度女性のチャレンジ賞」受賞。日本政府主催「WAW!2016」アドバイザー。株式会社ベレフェクト代表取締役。アライドアーキテクツ株式会社社外取締役。太田彩子ブログはこちら。営業部女子課サイトはこちら

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