「PDCAを回せない人」にありがちな甘い計画 8つのステップで出たとこ勝負を卒業しよう

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ステップ③:ギャップを埋める課題を考える

ゴールと現状のギャップが見えたら、そのギャップを埋めるための課題を考える。

これも営業でいえば、

・プレゼン勝負になると勝てない
・スケジューリングが下手で1日3件しか回れない
・ヒアリング能力が低い
・早口になってしまうことが多い
・第一印象が悪い

といったことがそれにあたる。

課題といっても、自分に足りないことばかりを考える必要はない。自分の得意分野を強化することでギャップが埋められるなら、それも立派な課題である。

ここでは次のような問いを自分に投げかけながら、頭に思いつくことを紙やホワイトボードに書き出してみることをおすすめする。

・「ゴールから逆算すると、自分は何をすべきなのか?」
・「この道を進むとしたら、何が不足しているのか?」
・「前進を加速するために、伸ばせる長所はないか?」
・「あらかじめ手を打っておくべきリスクはないか?」
・「周りでうまくいっている人は、どんな工夫をしているか?」

課題抽出は正確に、かつ漏れなく行うことが理想ではあるが、それを恐れてPDCAサイクルを回せないのであれば本末転倒だ。

仮にここで課題を見落としていても、定期的に検証を行っていれば、どこかの段階で「もしかして他に課題があるのでは?」と気づくことができる。むしろ、課題を洗い出すためにPDCAを回すという意識が重要なのだ。

課題は3つに絞る

ステップ④:課題を優先度づけして3つに絞る

ゴール設定にもよるが、一般的に課題をリストアップするとかなりの数になるはずである。そのすべての課題をこなせれば理想的だが、このあと、それらの課題をアクション(Do)、そしてタスク(ToDo)に分解していくと、実際にやるべきことは倍々ゲームで増えていく。

人はタスクを同時に抱えすぎるとフォーカスポイントがあいまいになって成果が思うように出せなくなる。

よって重要なのは適宜、選択肢をふるいにかけ、「やらないこと」を決めると同時に、「やること」について優先度づけを行うことである。

最終的には3つの課題に絞り込みたい。これ以上多いとPDCAが重荷になりすぎる恐れがあり、逆にこれより少ないと重要な課題を取りこぼす恐れがあるからだ。

さて、ここではステップ②でリストアップした課題の中から、これぞと思われる課題を絞り込む。

その時には、それぞれの課題をインパクト(効果)、時間、そして気軽さの3つの基準でABC評価をつけ、優先度づけをし、その中から重要だと思った3つを選ぶ。

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