「PDCAを回せない人」にありがちな甘い計画 8つのステップで出たとこ勝負を卒業しよう

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ちなみに、私は日々社内から上がってくる課題に対して判断を下す立場にいるが、不安で寝つけない夜は滅多にない。もちろん、時には大勝負に出ることもあるし、その時はいつもより慎重になる。しかし、社内で下す99%の判断はPDCAを回す前提に行っているので、「現時点で可能な限り精度の高い仮説を立てて間違っても仕方ない」くらいにしか思っていない。

計画フェーズ(Plan)の8つのステップ

あらゆることをPDCAで回していると、メンタル面での負担が軽くなる点も大きなメリットであると言えよう。まず計画フェーズ(Plan)の具体的な8つのステップについて解説したい。

ステップは以下のとおりだ。

①ゴールを定量化する(KGIの設定)
②現状とのギャップを洗い出す
③ギャップを埋める課題を考える
④課題を優先度づけして3つに絞る
⑤各課題をKPI化する
⑥KPIを達成する解決案を考える
⑦解決案を優先度づけする
⑧計画を見える化する

なお、一般的なネット記事よりも長文となっているが、体系的な理解をしていただくため、その点についてはご了承いただきたい。

ステップ①:ゴールを定量化する(KGIの設定)

あらゆるPDCAは、たどり着きたいゴールを決めることから始まる。

PDCAはどのような対象でも回せるのでゴールはなんでも構わないが、その際に注意してほしいポイントが3つだけある。期日を切ること。定量化すること。そして適度に具体的なものにすることだ。

このステップでは、たとえば営業の仕事では、「3カ月後には月10件、新規開拓をしよう」といったゴールが導かれる。

1.期日を決める

期日が変わるとそれを実現するための戦略も変わる。たとえば、北海道を目指す旅をする際、半日しかないなら飛行機しか選択肢はないが、1週間以上かけていいなら自転車の旅もありうる。それでは検討すべき事項が増えすぎて収拾がつかない。

それに期日を決めないと危機感が生まれない。

「時間があったら英語の勉強でもしよう。そうすればいつか英検1級に受かるかも」「目の前の仕事を全力でやっていれば、部長くらいにはなれるだろう」「いつの日か世界から注目される企業に育て上げよう」

期日を決めないとどうしてもこういった積み上げ方式の発想になってしまう。しかし、これではただの出たとこ勝負である。

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