”こだわりすぎない”ベーグル屋の堅実戦略

「派手さはないけど、実がある」商売

毎日でも食べたいベーグルにようやく巡り合った気がする。僕はベーグルにありがちな過剰なモチモチ感やのどが渇く感じが、ちょっと苦手だった。年に1回ぐらい外食で口にすれば十分、という食べ物だ。

しかし、「COFFEE&BAGEL KINO」(愛知県西尾市吉良町)のベーグルを2口ぐらい食べたとき、「ああ、自分はこういうのを求めていたんだな」と気づかされた。プレーンベーグルはしっかりとした食感があって小麦の風味も強いのに、なぜか食べ疲れない。軽いのに中身はもっちり。不思議だ。

トマト&ペッパーベーグルがまたすばらしい。ドライトマトの凝縮したうま味と黒胡椒の香りがベーグルに溶け込んでいて、かじりながらビールやワインを飲みたくなる。

パッケージやコピーのセンスもよく(コーヒーの名前は「あのね」と「赤い電車」)、値段も高すぎないので贈り物にも手頃だ。ベーグルマニアぎみな東京の女友達に送ってみたら、「人生で3番目ぐらいにうれしいプレゼント」だと絶賛され、僕の株はアベノミクス効果並みに急上昇した。

このお得なベーグルを作っているのは牧野泰子さん(34歳)。以前は西尾市内でカフェを経営していたが、今年からは実家の敷地内に工房を設けて通販のみで営業している。スタッフは妹の祥子さん(32歳)のみ。ベーグルのおいしさでだけなく、彼女たちの働き方にも興味が出てくる。工房に遊びに行くことにした。

工房内の販売スペースで読書中の牧野さん。「小さい頃から本好きで、図書館を利用しまくっていました」
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
持ち家が危ない<br>マイホームが「負動産」になる

東京・豊島区で15%の空き家率。空き家はもはや地方都市だけの問題ではない。積立金不足で大規模修繕が進まないマンションも。「負」動産化する持ち家の大問題とその対策を提示。