しょぼい水族館が流行る“当たり前の”理由

イケメン飼育員が語る水族館の心得

散歩コースに小さな水族館がある。全国でも1、2位を争う「建物の古さ」だという竹島水族館(愛知県蒲郡市)だ。外観は正直言ってしょぼい雰囲気が漂っているので足を踏み入れにくかったのだが、あるときホームページを見たら興味が出てきた。

<館内はほのぼのとした雰囲気で、ゆっくり生き物たちを見ることができるアットホームな水族館です。(中略)館内アンケートには「来たけど、外観をみて不安になったけど、入ってみると意外に面白かった」という意見がやたら多いです。まずは、外見にとらわれずご来館下さい!>

ホームページ内の読み物として、水族館に運ばれてきた時点で死んでいた魚類(明らかに食用でないものばかり)などを調理して食べてしまうゲテモノ食い飼育員のブログなどもある。

市役所のホームページにこんな文章を載せてしまう勇気とセンス。すばらしい。地方に求められているのは、この種の開き直りなのだ。「人員も資金も限られているけれど僕たちは勝手に楽しんでいる。都会のまねはもうしない。でも、遊びに来てくれたらいつでも歓迎するよ」というローカルかつオープンな姿勢と活動に、人は魅力を感じるのだと思う。

実際に館内に入ってみると、子どもたちとおばちゃんたちが慣れた様子で歩き回っている。水槽の下には、「この魚は焼いて食べるとおいしいです」などとストレートすぎる手書きの説明文。「水族寄生虫博覧会」なる気持ち悪いけれどユニークな特別展、カニやサメなどに子どもが自由に触れる「さわりんぷーる」、歩き疲れた大人が水草とサンゴを眺めながら寛げる「まったりうむ」などなど。飾り気はないけれどサービス精神にあふれた内容に驚く。

聞くところによれば、竹島水族館を現在のような志向に変えたのは主任飼育員の小林龍二さん(32歳)。いったいどんな人なのだろう。水族館まで歩いて会いに行った。

バックヤード(水槽の裏側の作業スペース)にて。「先輩飼育員が稚魚から育てた魚もいます。死なせられません」
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