こうして愛知から「ガンダム」は生まれた!

“常識破りのプロデューサー”関岡渉氏に聞く

1978年のある秋の日の午後。新宿ルミネ内の喫茶店内で数名の男がテーブル越しに顔を突き合わせていた。アニメ制作会社・日本サンライズ(現・サンライズ)の制作スタッフたちと、当時、名古屋テレビ放送で制作部長だった関岡渉だ。

当時、名古屋テレビでは日本サンライズが制作する子供向けの巨大ロボットアニメを2本制作していた。番組で活躍するロボット玩具の売れ行きは好調で、スポンサーの玩具会社から「ぜひ3本目を」という声が出ていた。3本目の名古屋テレビ側の担当は、それまでの東京支社から本社制作部に代わった。そこで関岡が東京に出向いて、3本目の企画会議に出席したのだ。関岡にアニメ番組を制作した経験はもちろんない。

企画書を見せながらサンライズの担当者が切り出した。「視聴者の対象年齢を引き上げたい」。過去2作の成功で、サンライズは自社の代表作となる作品を作りたいと考えていた。作品名が「機動鋼人ガンボーイ」と書かれていたこのアニメこそ、後の「機動戦士ガンダム」である。

主人公は暗く引きこもりがち。正義は敵味方どちらにあるか判然としない。子供には難解なストーリー。従来のロボットアニメにしては非常識な企画だったが、関岡は即座に「OK。これでいきましょう」と言い切った。路線変更も覚悟していたサンライズ側が拍子抜けするほどだった。

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