"スター宇宙飛行士"の「懐に飛び込む」技術

チーム力向上のために、ここまでやる!

3回の船外活動など、偉業を達成し続ける星出彰彦飛行士。彼のすごさの秘訣は「懐への飛び込み方」にもあった

立場の異なる人と一緒に仕事をしなければならないとき、身構えてしまったり、相手の様子を探ったりしがち。でも、相手の心を開いて、すっと打ち解ける人を見たことがないだろうか? 「人懐っこい」の一言で片付けることもできるが、そこには何かしらのスキルがあるはずだ。

3回の船外活動など、昨年のISS長期滞在中に数々の偉業を達成した”日本のスター”、星出彰彦宇宙飛行士は、そんなスキルを持つ人だ。

宇宙飛行士にもさまざまなタイプがいて、中にはプライドが高く近寄りがたい人もいる。だが星出は、たとえば認定前の新人インストラクターがいると、「新しい方ですよね? 星出と申します」と、”スター”自ら気さくに話しかけて、心の距離を近づける。

宇宙関係者だけでない。この記事の取材時のこと。まず「昨日の講演会、来て下さってありがとうございます」とぺこりと頭を下げられ驚いた。客席は暗かったはずだし、数百人の客がいたのに。だがこうして相手の心を溶かし、やる気を掻き立てるのだと納得する。

星出はずば抜けて英語能力が高く「おまえ、日本人だっけ?」とNASA飛行士に言われるほど、米国人チームの中でなじんでいる。幼少の頃、4年間をアメリカで過ごした帰国子女であり、さらに高校時代に2年間、海外留学していた経験が大きいのかもしれない。だが、それだけではない。

間違っていようが、とにかく話しかけるのが星出飛行士流。写真は2004年、ロシアで訓練中の様子(出典:JAXA)

星出と一緒にロシアに訓練に訪れたJAXA担当者が、驚いたことがある。「まだ訓練を開始して日が浅く、ロシア語がそれほど堪能でない頃でした。でも星出さんは文法が間違っていようがなんだろうが、とにかくよく話しかけるんです。

習うより慣れろ、話しながら修正していけばいいと。とにかく相手を理解したいという気持ちを伝えようとする姿に、すごいなと思いました」。

思い切って「懐に飛び込んでしまう」のが彼の流儀のようだ。

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インテル中興の祖、アンディ・グローブ。数々の英断で、プロセッサー半導体市場で無双の企業を作り上げた。グローブの愛弟子である、インテル全盛期のトップが語る技術経営の神髄。