宇宙で"ノー残業"、星出飛行士の段取り術

器用じゃなくても、重大ミッションを大量にこなす

(出典:JAXA/NASA)

日常の煩雑な作業の処理に忙殺され、なかなか成果を上げられないビジネスパーソンは少なくない。“宇宙エリート”の世界においても、それは同じ。仕事の処理能力は、宇宙ミッションにアサインされるか否かを左右するほど、重要な鍵を握っている。

その点、日本には「驚異的な段取り力」と、その仕事ぶりを賞賛される宇宙飛行士がいる。星出彰彦飛行士である。

2012年7~11月の4ヶ月間にわたり、宇宙に滞在した星出飛行士。それが、重大なミッションの連続する、ドラマのような毎日であったことは、あまり知られていない。

日本の貨物船「こうのとり」3号を捕獲するという緊迫の仕事に始まり、3度にもわたる船外活動で国際宇宙ステーション(ISS)電力低下の危機を救った。そしてISS初となる小型衛星の放出……(表参照)。そのいずれも「日本人初」「ISS初」「日本人最長(船外活動)」などの冠がつく。

しかも星出飛行士は、なんとこれらの仕事をほぼ「残業なし」でこなしたという。

日本人は大仕事に直面すればつい残業や、休日返上などの長時間労働で対処しがちだ。しかし星出は、そんな泥臭さとは無縁に見える。いったいどのようにして、押し寄せる仕事の波を乗り越えて行ったのか。さっそく星出飛行士に聞いてみた。

完璧なNASA手順書の、さらに先を考える

「宇宙に行くと、日々の仕事に追われます。実験や作業にはそれぞれ『手順書』がありますが、地上での訓練時に手順書を見ながら、自分が実際に宇宙で行う状況をイメージして、疑問点を洗い出したり『この方がやりやすいんじゃない?』と提案したりしましたね」(星出)

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