脆弱さ露呈、高まる国債の「テールリスク」

市場動向を読む(債券・金利)

日本国債の金利は、5月に10年債でみて上下45bp(ベーシスポイント=100分の1%)という大幅な変動を見せた。4月4日の金融緩和直後に付けた10年0.3%強の水準からすると、5月下旬に瞬間風速で付けた1%まで70bpに及ぶ金利上昇が1カ月半の間に生じたことになる。

5月の金利上昇のトリガーは明らかに米債金利の上昇であり、その要因となったのはFRB(米国連邦準備制度理事会)の金融政策が出口に向かうとの観測が市場で強まったことである。5月1カ月間で、米債10年金利は日本国債を上回る62bpの大幅上昇を見せている。

この点だけを取れば、日本国債の金利の急上昇はグローバルなトレンドにリンクして起きたと言うことができるだろう。

突出した日本国債の金利の上昇幅

しかし、日本国債の金利の米債金利に対する感応度(ベータ)が長期的に見れば0.25~0.3程度であることを考えると、5月の日本国債の金利の上昇幅はやはり突出していた。米債金利の62bp上昇に対して過去の平均的なベータであれば、日本国債の金利の上昇幅は20bp程度がノーマルだ。

しかも、5月の金利上昇幅45bpの大半は実質的に約2週間で生じており、その期間中の米債金利は20bpしか上昇していない。今回と同様な日本国債の短期的な金利上昇が起きた2010年8月の「小沢ショック」の時においてさえ、上昇幅は同期間中の米債金利の上昇幅には達しなかった。その意味では、日本国債の市場の構造が過去とは根本的に変質してしまったようである。

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