流山市が「ママ創業支援」に乗り出した事情

「母になるなら流山市」から6年

市が開く「実践型創業スクール」を卒業して、カフェを開いた山下絵梨奈さんは4人の男児を持つ母。かつては都心まで2時間かけて通勤していた

2010年秋に「母になるなら、流山市。」「父になるなら、流山市。」と銘打った広告が都内地下鉄各駅に登場してから6年、子育てがしやすい街として知られるようになった千葉県流山市が今度は、「ママ創業支援」に力を入れ始めている。

2005年のつくばエクスプレス開業以来、流山市の人口は約2万6000人増えており、そのうち半数は30~40代の子育て世代。これも子育て環境整備を全面的にアピールした結果と言える。住民の創業支援自体は2014年に施行された産業競争力強化法に基づき、どこの自治体でも行っているが、母親をメインターゲットにした実施は珍しい。流山市が母親に照準を合わせた理由は何だろうか。

4児の母が起業したワケ

東武アーバンパークライン江戸川台駅から徒歩3分、今年6月にオープンしたばかりのカフェFLORIAN(フロリアン)。昼時に訪ねたところ、12席ほどのテーブル席は子どもを連れた母親たちで埋まっていた。地元で採れた野菜を使った料理やスイーツを提供するほか、店内はWi-Fi完備とあって地元の人から人気が高い。定休日の土、日は将来店をやりたい人のために、レンタルスペースとしても貸し出している。

創業者の一人、山下絵梨奈さんは、流山市が昨年始めたママ向け創業支援「超実践型創業スクール」の第一期生で、卒業後間もなく仲間たちとともにこのカフェをオープンした。「地元で頑張っているママたちを応援したい」との思いから開いたカフェでは、地元の母親たちが交代でシェフを担当している。

創業支援スクールのビジネスプラン発表会風景。子どもと一緒に参加している人も多い

山下さんは、4人の男児の母。第二子出産までは片道2時間かけて都内に通勤していたが、育休中にベビーマッサージを知り、資格を取得。会社を辞め、自宅でベビーマッサージを始めた。同時に第一子子育て時に自身が辛い経験をしたことから、孤独に子育てするママに向けたメルマガを始め、母子のためのイベントも開くようになった。1回に20組も集まるほどになったことから自前で人が集まる場を作りたいと思い始め、創業支援スクールに参加した。

「自分自身、通勤と子育ての両立が大変で会社を辞めましたし、特に第一子の子育ては子どもと一緒に泣きながら寝るような大変な毎日。だから今、そんな思いをしているママたちの肩の力が抜けるような場所を提供したい」と話す。

次ページ流山市が支援に乗り出した理由
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。