大学生を勉強させる「現実的」な方法 日本の大学生が勉強すれば「日本」が強くなる

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連載第1回で、海外の大学生は、

・すでにある知識を組み合わせて新しいことを生み出す力

・問題を分解・分析して解決策を導く力

・さまざまな新しい情報を既知の知識と組み合わせて状況判断する力

に秀でているとお話ししました。これこそがまさに考える力であり、企業が評価する力なのです。

「育成」では立教が大健闘、早慶は残念な結果に

調査結果の詳細は拙著『なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?』に譲るとして、ここでは全体の傾向を見ていきましょう。

下の表をご覧ください。これは、「考える力を育成している授業」として大学生が挙げた授業の数の平均を見たものです。

まず目立つのは、立教大学の健闘でしょう。特に立教大学経営学部は、全体の平均4.1のおよそ1.7倍です。

立教大学経営学部が高い評価となったのは、同校が実施している「ビジネスリーダーシッププログラム」が大きく影響しています。このプログラムはグローバルに活躍できる人材の養成を目的に開発されたもので、経営学部の学生全員が履修するコア・カリキュラムです。

ディスカッション、プロジェクトの実行などを中心に進められ、知識の習得にとどまらず、与えられた知識を活用するためのスキルを身に付けさせることを主眼においています。このような取り組みの効果が、数字で立証されたと言っていいでしょう。

一方、私立大学の雄と言われる早稲田大学と慶應大学はぱっとしません。平均の4.1を超えているのは早稲田法学部のみで、あとは軒並み平均以下という結果になっています。

次ページ「評価」では東大が別格、やはり立教が健闘
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