マクドナルド、高価格セット再投入の皮算用 ゴールデンバーガーウィークに照準

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低価格品で地ならし、高価格品で刈り取る戦略の成否は

マクドナルドは従来から、値引きや低価格メニューで集客して、高価格メニューの販売で利益を稼ぐ手法を取ってきた。

今年に入ってからも、1月に実施した「ENJOY!60秒サービス」、コーヒーやハッシュポテトを月曜ごとに無料配布して朝食需要を開拓する「フリーマンデー」(1月以降、断続的に実施)で“地ならし”をしてきた。

今回の「チキンてりたま」や「バーベキュービーフ」も、こうした地ならしで集客力を高めた後に、利益を刈り取るための高価格メニュー戦略といえそうだ。

ただ、肝心の日本マクドナルドホールディングスの業績はというと、既存店売上高が昨年4月から今年2月まで、11カ月連続で前年割れが続いている状況。4月8日に発表される予定である3月の既存店売上高も、大きな回復は見込めそうにない。

原田社長は、既存店が前年割れを続けているのは「昨年5月からディスカウントプロモーションをやめたから」と指摘。そのうえで、既存店売上高の前年割れ幅は縮小傾向にあることから、「ほぼ計画通り、5月にはプラスに転じる」と予言した。

はたして春の新商品はマクドナルド復活の起爆剤となるのか。勝負は“ゴールデンバーガーウィーク”の5月に懸かっている。

(撮影:谷川 真紀子)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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