「プリウスPHV」最新進化は一体何がスゴいか トヨタの次世代を担うエコカーを早速解剖

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ベースのプリウスとはまた違う外観スタイルだ

太陽光発電でクルマを走らせる!?

「へええー、だいぶ変わったね」

久々に会った元カレ…ではなく、この冬にトヨタ自動車が発売を予定している新型「プリウスPHV」を一目見たときの感想である。エンジンとモーターを併用するハイブリッド車(HV)のドル箱「プリウス」をベースに、HVとしても充電したモーターだけで走る電気自動車(EV)としても使える、PHV(プラグインハイブリッド車)の最新モデルだ。

ベースのプリウスとしては新型から数えて4代目が昨年デビューし、当然、プリウスPHVも新型に切り替わると目されていた。ただ、正直なところ、3代目プリウスでは、HVとPHVの間に、見た目でも性能面でも大きな差がなかったため、PHVの存在感が薄かった。

その反省もあってか、今年3月のニューヨーク・ショーでデビューした新型プリウスPHVは、HVとは明らかに違う個性を与えられていた。外観は、どちらかといえば、燃料電池車の「ミライ(MIRAI)」と似た未来的な顔立ちを採用しており、リアビューもHVとは違う独特の曲線を持つダブルバブルウインドーを採用している。

前後のオーバーハングを伸ばして、のびやかなスタイリングとすることにより、ノッチバック・スタイルながら、ワンランク上のセダンのような印象を与える。ボディサイズは、全長4645☓全幅1760☓全高1470mmとなり、プリウスと比べると、前後のオーバーハング分の105mm長い。

違うのは外見だけではない。搭載されるバッテリーも、エネルギーをぎゅっと詰め込めるリチウムイオン電池として、従来の約2倍の総エネルギー量とした。これにより、EV走行できる距離は、旧型プリウスPHVの26.4kmから、新型プリウスPHVは60km以上に達し、1日の移動のほとんどをEV走行でまかなえるようになった。自家用車を保有する80%の人が1日に60km以下しかクルマを走らせていないという国土交通省のデータもあり、多くのユーザーに対応できる。

また、従来は家庭用電源での充電のみで、急速充電には対応していなかったが、新型プリウスPHVでは、急速充電にも対応する。さらに、ソーラーパネルによる太陽光発電も、オプションで設定している。

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