なぜ「シン・ゴジラ」で鉄道が大活躍するのか

庵野総監督の「鉄道愛」が名場面を生み出す

ゴジラシリーズで「やられ役」だった鉄道が、「シン・ゴジラ」では大活躍する ©2016 TOHO CO.,LTD.

映画「シン・ゴジラ」には鉄道が登場するシーンが実に多い。序盤では、首都圏の繁栄ぶりを示すかのように、通勤電車が画面上を縦横無尽に行き交う。中盤では京浜急行電鉄や、江ノ電こと江ノ島電鉄の列車が出てくる。登場人物が多摩都市モノレールの車両基地で重要な会話をするシーンがある。

「シン・ゴジラ」の制作には多くの鉄道会社が撮影に協力している。多摩都市モノレール、江ノ島電鉄、東急電鉄、京浜急行電鉄、北総鉄道が撮影協力会社として名を連ねる。

京急は撮影に全面協力

会社を挙げて全面協力したのが京急だ。蒲田駅で群衆がゴジラから逃げるシーン。人々がただ逃げるのではなく、画面に路線バスが映っているほうが日常感が出るという制作側のリクエストに応え、京急バスを貸し出した。また撮影中は駅周辺の道路が封鎖されたため、バスが迂回路を走るといった協力もした。

京急800形電車が吹き飛ばされるシーンがある。これはCG制作のための図面貸し出しに加え、制作スタッフは車両基地に出向いて実車取材も行なった。「図面ではわからない実車の色合いなど、スタッフの皆さんは細かいところまで観察されていました」(京急広報)。それ以外にも、人々が疎開するシーンはグループ会社の川崎鶴見臨港バス・神明町営業所で撮影が行なわれた。映画を見た人なら誰もがわかる”北品川の踏切シーン“も京急の撮影協力なしには実現しなかった。

東急は昨年オープンした二子玉川ライズでの撮影に協力している。ただ、「どのシーンで使われたか確認できていない。人がアップになって背景が見えないのか、あるいはカットになったのか」(東急広報)。二子玉川ライズの映画館で上映される「シン・ゴジラ」は連日盛況だが、自分が映画を見ているすぐそばで撮影が行なわれていることを知っている人はどれだけいるだろうか。

鉄道会社以外では、鉄道博物館と鉄道模型メーカーのマイクロエースが制作に協力している。鉄道博物館は、「それほど深く協力したわけではなく、何かの図面について問い合せがあったのでそれに答えたという程度」という。しかし鉄道博物館とゴジラのかかわりは意外に深い。「1954年のゴジラ第1作に登場する電気機関車の模型は当館(注:鉄道博物館の前身である交通博物館)が貸し出したものです。今も当館で保存しています」

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