都知事公約「満員電車ゼロ」は、こう実現する 小池新知事のブレーンが5つの方策を提示
――阿部さんといえば、総2階建て車両のアイデアで有名です。
私のオリジナルではなく、東京大学の須田義大教授のアイデアです。東海道線などのグリーン車の2階建て車両は、両端が1階建てで車内の階段部分はデッドスペースとなり、床面積は1.4倍くらいにしか増えません。また、ドアが少なく乗り降りに時間を要します。
そこで、車両を総2階建てとし2階にもドアを設置します。ホームも2層化して1階と2階同時に乗り降りできるようにします。輸送力を2倍にでき、混雑と遅延をなくせます。
小池百合子都知事の2階建て車両の導入による「満員電車ゼロ」案に対して、車内階段式の「快速アクティー」は失敗したとの声が多数出ていますが、最初からそんな提案はしていません。
総2階建ては複々線化より安価だが…
――しかし、投資額がネックになり、実現の見通しはありませんね。
複々線化や新線建設よりも安上がりですが、それなりのコストはかかります。そこで、もっと安くできるよう、物理空間的に密度を高める総2階建て車両に対し、時空間的に密度を高める5方策を提案しました。
5つを組み合わせると、2倍の輸送力とは行かないまでも、相当大きな効果になります。
――第1の方策は?
青信号と同時の出発です。東京駅の中央線ホームの2番線に列車が停まっていて、神田方面から次の列車がやって来る場面を思い浮かべて下さい。その列車が1番線に到着する数秒前に2番線は青信号が点灯します。点灯と同時に出発しても問題ないのに、25秒くらいしてようやく出発します。その時間は無駄ですよね。
25秒もかかるかのは、青信号が出てから車掌が発車ベルを鳴らし、ドアを閉め、それから出発するからです。だったら青信号になる25秒前に発車ベルを鳴らせば、青信号と同時に出発できます。
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