地味な「浜松町」、野村不動産が社運賭け一新

3500億円投じ東芝本社建設や水上タクシーも

野村不動産ホールディングスが国家戦略特区として申請している「芝浦一丁目地区」の完成イメージ図

羽田空港に向かう東京モノレールへの乗換駅として知られる浜松町駅。その周辺は、山手線の内側にあたる西口と、東口とでまるで表情が異なる。西口には店舗が立ち並び人の往来が多いが、東口は旧芝離宮恩賜庭園があるほかは、工場や倉庫街の面影を残すこのエリア独特の味気ないオフィス街が広がる。

その浜松町駅東口エリアが、一変することになりそうだ。総合不動産デベロッパーの野村不動産ホールディングスが、このエリアで大規模再開発を計画している。国家戦略特区制度を活用して容積率の緩和を受ける前提で、賃貸オフィス、商業施設などからなる2棟のタワービルを建設。延べ床面積は計50万平方メートル、土地を含めた総事業費は3500億円規模にのぼるとみられる。2020年までに着工し、2030年頃の完工を目指している。

現在は国家戦略特区の指定待ちの段階だが、これが通れば都内で予定されている都市計画の中でも屈指の規模となりそうだ。プロジェクトの詳細はまだ決定していないが、開発規模からすると、野村の社運を賭けたプロジェクトとなることは間違いないだろう。

野村の”虎の子”となった東芝との合弁

開発予定地はJR山手線・浜松町駅から徒歩5分ほど。改札から続く歩行者デッキを降りると、緑地に囲まれた広い敷地に、東芝の本社が入居する40階建ての「浜松町ビルディング」がそびえたっている。野村が計画するのは、このビルの建て替えと、敷地一帯の再開発だ。

浜松町ビルディングは、東芝が東京芝浦電気から名称を変更した1984年に「東芝ビルディング」として竣工した。東芝の完全子会社の保有ビルだったが、2008年のリーマンショックによる東芝の業績悪化を機に、子会社ごと売りに出されることとなった。だが、不動産業界でもミニバブルがはじけ、同業がバタバタと倒れる中、東芝と関係の深かった三井不動産も取得には及び腰だった。

ここで山を張ったのが野村だった。野村は800億円を投じてこの子会社株式の65%を取得し、東芝との合弁企業「NREG東芝不動産」が誕生した。さらに2015年には、東芝が不正会計問題の余波で巨額赤字転落が見えていた中、370億円で株式の30%を野村に追加売却した。現在は野村の持ち分が95%、東芝が5%。ビルは名称を変更して複数のテナントが入居しているが、今でも最大のテナントは東芝本社だ。

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