西武筑波店を閉店に追い詰めた「TX」の存在

交通の利便性向上で百貨店が「危機」に陥った

2017年2月末の閉店が決まった西武百貨店の筑波店(撮影:今井康一)

8月最初の週末――。昼下がりに訪れた西武筑波店はひっそりとしていた。夏休み真っただ中にもかかわらず、家族連れを目にすることはほとんどない。1階の和菓子、洋菓子エリアには数人の客のみで、従業員のほうが圧倒的に多かった。

売り上げはピーク時の半分

セブン&アイ・ホールディングスは8月2日、傘下のそごう・西武が運営する百貨店2店の閉店を発表した。西武筑波店(茨城県つくば市)と西武八尾店(大阪府八尾市)で、2017年2月末に閉店する。5月に就任した井阪隆一・セブン&アイ社長の体制となって初めて実施される構造改革となる。

今回閉店が発表された西武筑波店は、国際科学技術博覧会(つくば科学万博)が開催された1985年に開業。家族連れやシニア層を中心ににぎわい、1991年度には過去最高となる248億円の売り上げを記録した。だが、そこを境に業績は低下の一途をたどる。直近の2015年度の売上高は128億円と、ピーク時から半減するほどに落ち込んだ。

「昔はにぎわっていたけど、ここ数年はまるっきり人がいなくなった。さびしい気持ちはあるが、閉店するのも仕方ない」。西武筑波店に孫と訪れた60代の男性はこう語る。

西武筑波店が位置するつくば市の人口は2016年3月時点で22.4万人と10年前から3.2万人増加している。人口が増えているにもかかわらず、なぜ閉店という事態に追い込まれたのか。

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