クックパッド、止まらない「幹部流出」の危機

競合メディアの出現で成長性に陰りも

穐田(あきた)誉輝前社長(左)と創業者の佐野陽光氏(右)。経営方針の急激な変更で、会社は最悪の方向に向かいつつある(撮影:引地信彦)

かねてから危惧されていた人材流出のリスクが、現実となった。レシピサイト最大手のクックパッドの経営方針の混乱をめぐり、部長級を含めた複数の幹部社員が退職することが明らかになった。

「創業者の横暴で、会社がめちゃくちゃになった」「もう、元のレールに戻れないところまで来てしまった」。社員からは、こうした声が飛び出す。ネット業界を代表する成長株と目されてきたクックパッドは、経営体制の混乱による影響が深刻さを増し、致命的な事態を迎えかねない状況に陥っている。

社員総会で示された目標とは?

クックパッドの経営方針をめぐる「お家騒動」が明るみに出たのは、今年1月。創業者で筆頭株主の佐野陽光氏が、「経営ビジョンに大きな歪みが出てきた」として、株主提案で取締役を刷新しようと動いた。佐野氏はその後、2月に会社側と取締役選任案を一本化。これで事態は収束するかと思われたが、そうはならなかった。

3月の株主総会後、続投を見込まれていた穐田(あきた)誉輝氏が、佐野氏の影響力が強い新体制のもとで社長退任に追い込まれ、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の岩田林平氏が新社長に就任。以降、多くの社員が穐田氏の社長復帰を求める署名に参加するなど、新体制に対する社員の不安と不信は強く残ったままだった。

社内に広がる停滞感を打開するチャンスはあった。株主総会から約3カ月後の7月4日。東京・恵比寿の本社で社員総会が開かれた。佐野氏や岩田氏から社員に対して、新体制下での経営計画が初めて示されたのだ。

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