「ポケモンGO」で日本は「世界征服」できるか 「クールジャパン」は民間主導しかない

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任天堂は、世界的な「ゲームプラットフォームメーカー」であると同時に、世界に通用するソフトをつくり出せるソフトメーカーでもある。「マリオ」、「ドンキーコング」、「ゼルダ」など、数多くのIPを有している。

ただ、現在はソニーの「プレイステーション4」と、マイクロソフトの「Xbox」、すなわち「高精細の映画的なゲーム」を楽しむことができる「据え置き型ゲーム専用機」が欧米でヒットしており、任天堂の同型ゲーム機「Wii U」と携帯ゲーム機「3DS」は販売不振に陥っている。

それゆえ、任天堂は2012年3月期から3期連続の営業赤字に陥り、現在も業績は低迷している。そのなかでの、今回の「ポケモンGO」の大ヒットは、任天堂にとっては「起死回生」につながるものであったといえよう。「ポケモンGO」は、任天堂に従来のビジネスモデルの転換を迫っているともいえる。

「クールジャパン」をゲーム分野で成功に導くには?

任天堂のビジネスモデルもさることながら、任天堂以外のゲームコンテンツメーカーが、世界的なヒットを生み出せていないことも問題だ。たとえば、日本の有力コンテンツメーカーである、バンダイナムコやスクウェアエニックスの海外でのシェアは数パーセントしかないのが現実だ。

今回の「ポケモンGO」の大ヒットから得られる教訓は、優秀な技術力や開発力をもった海外企業との提携や、M&Aにより、その技術を取り込み、いままでになかった斬新なゲームコンテンツをつくることができるということだ。

ゲーム分野も、安倍政権の成長戦略である「クールジャパン」に含まれる。だが、任天堂のみ奮闘しても、世界における日本のゲームコンテンツの存在感は高まらない。では、ゲームコンテンツの面から、今の日本で何をなすべきなのか? 少なくとも2つのことが必要だ。

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