激変する中米情勢、そのカギを握る意外な国

エルサルバドルの治安は、なぜ劇的に改善したか

グアテマラ、ホンジュラスなどに隣接する中央アメリカ中部の国、エルサルバドル。70年代後半から92年の国連介入まで長く内戦が続き、その後も治安が不安定だった国として知られるが、近年、急速に治安の改善が進んでいるという。現在の中米地域の状況はどうか、また個人が渡航する際、安全対策はどうあるべきか。エルサルバドル共和国 マルタ・リディア・セラヤンディア・シスネロス特命全権大使に聞いた。

――大使は日本に30年以上住んでおられ、日本の文化やビジネスマナーにも深い知識をお持ちです。今日は2つの国をよくご存じの大使に、日本企業が進出する際に知っておくべきことについて、お聞きしたいです。

セラヤンディア大使:中南米にかかわらず、海外への渡航や投資の際、皆さん気にされるのが治安ですよね。実は治安の改善に関して、エルサルバドルは中米で大きな役割を果たしているのです。

かつて、世界でも治安の悪い国といわれたエルサルバドルですが、この1年で劇的な変化をとげ、犯罪数が3分の1に減りました。今ではエルサルバドルの周辺国から使節団が来てエルサルバドルを見習い、中米全体の治安が改善しつつあるぐらいです。どうしてそれが可能だったのか、お話したいと思います。

しかしその前に、治安の話をするときの大前提として、日本は特別だということを知っておくべきです。これだけ安全な国はほかにあまりありません。バッグをイスに置いたまま話ができますし、なくした物も見つかる国は本当に珍しいのです。

世界最低水準の治安がなぜ、改善したか

――日本のように、財布を手に持ちながら道を歩くことができる国は、まれですよね。

セラヤンディア大使:はい、日本と同じように過ごせる国はほとんどないのです。ですから、エルサルバドルだけの話ではなく、他の地域全体に共通して、治安への注意は必要です。日本での安全の基準で、ほかの国でも同じようにやっていけると思ってはいけません。

たとえばバッグは手元から離さないこと。あまり装飾品をつけすぎず、レセプションなどがあるときは会場に行ってからつけるようにします。派手すぎる格好をするとターゲットになりますので、ほどほどにするなど、最低限の意識は持っておいたほうがいいですね。周りの人から情報を集めて、住む地域も日本人が多く住んでいる、治安のいい場所にしたほうがよいでしょう。

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