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ダニエル・スナイダー(上):アメリカは「安倍外交」を歓迎するのか?
ダニエル・スナイダー(下):アメリカは「対等な日米関係」に興味なし
――今回の日米首脳会談では、どんな成果が期待できますか。
具体的な成果は期待していない。中国、尖閣諸島、防衛ガイドラインの改訂、普天間の代替施設、北朝鮮、エネルギーなど、日米首脳会談で議論すべきテーマはたくさんある。安倍首相が最近、TPP(環太平洋経済連携協定)に関して公的に発言し、日本の交渉参加について意思決定する意欲を示したことを考えると、TPPが首脳会談の中心テーマとなる可能性もある。そうは言っても、率直な意見交換と、日米同盟が重要であることの再確認と、写真撮影以外に、何らかの具体的な成果が挙がるとは思えない。
――安倍首相の主な目的は何でしょうか?
日米首脳会談に臨む安倍氏の目標は、オバマ大統領と1対1で会談し、先に述べた課題について話し合うことに尽きる、とみている。日米首脳会談は安倍氏にとって極めて重要だ。それは日米首脳会談が、安倍氏がさまざまな課題についての自分の考え方を説明し、意図を伝えるよい機会であるとともに、自らが日米同盟のよき仕切り役であり、米国に歓迎されている、ということをアピールする場を提供してくれるからだ。安倍氏の側からオバマ大統領に対し、いずれかの課題に関して具体的な何かを要求するとは思えない。
――では、オバマ大統領側の目的は?
米国が首脳会談に同意したのは、日本側が強く要請したからだと思う。しかし首脳会談が実際に行われると決まった以上、米国はこの機会を利用して、安倍政権の下で日米同盟にとっての優先事項につき協議し、日本がTPPへの参加を推進するよう強く期待している旨を表明するだろう。また、日本が隣国との友好関係を維持するためには、隣国に対する敵意と受け止められかねないような声明や政策はトーンダウンする必要があることを強調すると思う。
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