京浜急行、「水着美女ショー」電車の舞台裏 話題性だけではない「真面目」な事情とは
東京都知事選挙の投票日となった7月31日朝、品川駅は別の熱気に覆われていた。駅のホームに水着美女6人が勢揃いしたのだ。
走る電車の中で新作水着のファッションショー。ひと味変わったイベントを仕掛けたのは京浜急行電鉄(京急)だ。ファッション水着で国内シェアトップの「三愛水着楽園」を全国展開するAi社とのコラボレーションで、「京急マーメイドトレイン」を品川―三浦海岸間で運行した。
京急はイベント列車の運行を得意とする。電車の中で豪華ミュージシャンによるジャズライブを行なう「ジャズトレイン」を昨年11月に、自転車を折りたたまずそのまま電車に積み込める「サイクルトレイン」を今年5月に運行した。今回の水着ファッションショー列車も初めてではなく、1962年以来、およそ半世紀ぶりの開催だ。
見えないところにもこだわり
全国を見渡せば、大阪市営地下鉄が大丸梅田店との共催で、昨年7月に列車内で浴衣や水着のファッションショーを開催しているが、水着専門のファッションショーは滅多にない。今回京急とコラボしたAiにとっても「電車どころか、乗り物の中での水着ファッションショーは初めて」(藤田公平・水着事業部事業企画室長)という。
この日は、三浦海岸で「京急ガチぬれフェスタ」というイベントが開催された。「水着を着る現場で新作水着を披露できる絶好の機会」(藤田室長)ということで、今回のイベントが実現した。
水着メーカー側にとっては初めての経験でも、京急にとってイベント列車の運行はお手のものだ。昨年末に企画を立案し今年の4月ごろから具体化した。6両編成のうち、3両を観覧車両として、1両は更衣室車両、1両は関係者用車両として活用。マーメイドトレインの乗客は水着の顧客層である若い女性約70人をウェブサイトで募集し、参加者には三浦海岸の地元のパン屋さんが作ったベーグルがふるまわれた。DJを務めるのは地元「FMヨコハマ」の柴田聡氏。列車の運転士と車掌は女性乗務員が務めるなど、見えないところにもこだわった。
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