新型「大阪環状線」、山手線とは違うこだわり 車両デザインの東西対決、軍配はどちらに?
JR西日本が2016~2018年度にかけて大阪環状線に導入する新型車両323系が6月24日、近畿車輛(大阪府東大阪市)の本社工場で公開された。
川崎重工業と共同で168両(21編成)が製造され、大阪環状線に順次投入される。東京では一足先に山手線で新型車両E235系の量産先行車が運行を始めている。新型車両の東西対決、軍配が上がるのはどちらか。
大阪環状線改造プロジェクトの大本命
323系はJR西日本が2013年度から推進する「大阪環状線改造プロジェクト」の一環として開発された。大阪市内をぐるりと回る大阪環状線は東京の山手線に匹敵する市内の大動脈でありながら、駅や電車が「古い、汚い」という声が利用者の間で相次いでいた。
そこでJR西日本は大阪環状線の改造プロジェクトに着手。駅の案内設備や待合ベンチをリニューアルし、駅の発車メロディーを大阪のご当地ソングに変更した。また高架下の開発、大阪環状線をテーマにしたボードゲーム「モノポリー」の発売など、大小さまざまな企画を繰り出してきた。中でも新型車両の導入は、プロジェクトの大本命といえる。
大阪環状線の主力車両はオレンジ色の201系や103系。どちらも国鉄時代に開発された車両だ。とくに103系は山手線も活躍していたが、車両老朽化で1988年には同線から引退してしまった。しかし、JR西日本は大規模な改修工事を行なった結果、103系は今なお現役だ。性能面ではまったく問題ないが、東京から大阪にやってきて初めて環状線に乗った人の中には元気に走っている103系を見て驚く人も少なくない。ただ、今回の323系の導入に合わせて、103系と201系は環状線から引退することになる。
環状線を走る車両のドア位置は列車によって異なる。103系や201系が4ドア、大和路快速など環状線に乗り入れる他路線の車両は3ドアだ。今回導入される323系は3ドア車なので、環状線を走る列車のドア位置が3ドアで統一される。
山手線ではかつて6ドア車が走っていたが、現在は4ドア車に統一。その結果を受けて、今年3月までに29駅中23駅にホームドア設置を完了している。大阪環状線も3ドアに完全に置き換わることで、ホームドア設置が加速するに違いない。改造プロジェクトの狙いどおり、大阪環状線はますます使いやすくなる。
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