駅の「バリアフリー化」どのくらい進んでる? 2020年度までに「段差」は解消できるのか

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地下ホームへの階段や跨線橋など、駅には段差が多い(写真:YNS / PIXTA)

改札口から跨線橋を渡ってホームへ、あるいは地上から高架上や地下の駅へ……と、鉄道を利用する際に避けられないことが多いのが「段差」だ。日ごろ「面倒だなあ」と思いながら昇り降りしている階段も、高齢者や障がい者にとっては単なる「面倒」ではなく、鉄道を利用する上で大きなハードルとなる。

公共施設のバリアフリー化が叫ばれる現在、駅の段差解消はどの程度進んでいるのだろうか。国は2020年度までに、1日当たりの平均利用者数が3000人以上の駅について、原則として全てバリアフリー化(段差の解消)することを目標としている。2020年開催の東京五輪や、高齢化社会の進展によって重要度を増してきている駅のバリアフリー化だが、段差の解消は少しずつとはいえ前進してきている。

大手私鉄は6社が目標達成へ

たとえば西武鉄道は先日、新宿線の中井駅(東京都新宿区)で6月5日から改札口を地下に移設するとともに、エレベーターとエスカレーター各3基を使用開始し、「国の方針で示されている1日当たりの平均的な利用者数が3000人以上の駅のバリアフリー化が全駅で達成される」と発表した。

これまでに大手私鉄でこの基準を達成しているのは、京王・小田急・東急・京急・相鉄の関東5社。ここに新たに西武も加わることになる。

では、全国の駅ではどの程度段差の解消が進んでいるだろうか――。国土交通省のデータによると、1日当たりの平均利用者数が3000人以上の駅は全国で約3450駅あり、段差が解消されている駅は2015年3月末の時点で全国の92.3%。このうち、バリアフリー法(「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」)に基づく「公共交通移動等円滑化基準」に適合した設備によって段差を解消しているのは84.8%だ。

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