日産がダイムラー、フォードと組んだワケ

燃料電池車の共同開発で戦略提携

日産自動車が、燃料電池自動車(FCV)の共同開発で、独ダイムラー、米フォード・モーターと提携した。ルノー・日産連合は、もともとダイムラーとは包括的な戦略提携を結んでおり、FCVの開発も重要な提携案件のひとつ。ダイムラーはフォードとFCVの心臓部ともいえる燃料電池(FC)スタックの共同開発を行っており、ダイムラーを媒介に、日米欧三極のトップメーカーによるFCV連合に発展した。今回の提携合意にはルノーは参加していないが、ルノーと日産の関係上、ルノーも自動的に関与することになる。

FCVとは、燃料電池(FC)スタックで発生させた電気で動く自動車だ。FCは、水素と酸素を化学反応させて電気を取り出す仕組みの電池(というより発電装置)で、反応後には水しか排出されない。二次電池(バッテリー)のみから電力を取り出すいわゆる電気自動車(EV)に比べ、一度に積載できる水素から多くの電力を取り出せ、現在のガソリン車以上の航続距離が実現できる。

充填インフラの整備という大きな課題はあるものの、水素の充填時間はガソリンなどと変わらず短時間で済む。また水素自体はさまざまな方法で比較的安価に調達できるため、燃費の削減もできる。

燃料電池車は「究極のエコカー」

FCVは、CO2やNOxなどの環境汚染物質を排出せず、燃料コストも安いことから、「究極のエコカー」と見なされており、超長期的にはガソリンなど内燃機関自動車の置き換えも想定され、世界中の自動車メーカーで開発競争が進んでいるところだ。

今回の合意では、日産がFCスタックの開発を担当、ダイムラーがFCスタックの制御機構の開発を担当する。フォードは研究開発全般を担う。開発費などの負担は均等に分担する。共同開発したFCVシステムをもとに、早ければ2017年にも、各社それぞれが「手ごろな価格」で量産市販車を投入する。量販当初のEV程度かそれを多少上回るくらいの価格になりそうだ。

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