最初のRPGを作った男の波乱万丈すぎる人生 ゲイリー・ガイギャックスを知っていますか
君は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons & Dragons:以下D&D)を知っているか。
D&Dは紙と鉛筆とサイコロ、世界観や数値が記載されたルールブック、それに自身の想像力/対話を駆使して複数人で行うテーブルトークアールピージー(以下TRPG)である。1974年に発売された本作は世界中で流行し、プレイヤーが冒険者になりきってファンタジー世界を探索する世界初のロールプレイングゲームと呼ばれる。数えきれないほど多くのクリエイターが本作から受けた影響を表明しており、TRPGをやったことがなくともD&Dの名は知っている人も多いだろう。
史上最強のナード
ゲイリー・ガイギャックスはこのD&Dを生み出した人物であり、『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』はそんな偉大な男の伝記である。これがもう、めちゃくちゃおもしろい。その人生は波乱万丈。幼少期からゲームにのめり込んで高校は中退、仕事もゲームをやっていてクビになる。独創的なゲーム・アイデアは既存の出版社からの協力を得られず、仕方なく自身で会社を作ったら大成功。貧乏から大金持ちへと一気に転身した後、会社を追われまた貧乏に……とそこはまるでジョブズのような経歴だ。
とはいえその偉業はジョブズのような規模で世界中の人に知られたわけではなく、もっとひそかに想像力の世界を変えた。ゲイリーはアドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ第一版『プレイヤーズ・ハンドブック』で『「私はここに数値データを提供する。あとは君たちプレイヤーの仕事である。D&Dは君たちプレイヤーによって成り立つのだ」』と宣言しているが、ゲイリーはナード達を結びつけ、彼らに「自分たちだけの物語をつくろう」と呼びかけたのだ。
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