一流の経営者は、根っからのゲーマーが多い ゲームが社会をより良いものにしていく

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ゲームを使って、個人が今よりもっと成功し、ハッピーになることができる
ゲームクリエーターのジェイン・マクゴニガル氏はゲームにおける考え方を現実世界に応用することで世界はもっと住みよくなると説く。「ゲームの可能性」は、果たしてどのようなものなのか。瀧本哲史・京都大学准教授が迫る。

 

瀧本:実は、ジェインさんにお礼を言わなきゃいけないことがありまして。私は大学でも教えているんですけど、本業はいわゆるエンジェル投資をやっていて、スタートアップ企業への投資をしています。数年前にゲームへの投資の話が二つあった。その時に「ゲームは今大きく変わっている、この本を読んでみて」と言って勧められた本が、実は『幸せな未来は「ゲーム」が創る』(原題『Reality Is Broken』)でした。この投資は成功したのですが、ゲームには大きな可能性があることを教えてもらった、投資のきっかけになった本なのです。

マクゴニガル:そうだったのですね。それはよかったです。

ゲームを使うことで人生はよりよくなる

ジェイン・マクゴニガル氏の著書『幸せな未来は「ゲーム」が創る』『スーパーベターになろう!

瀧本:今回の新作『スーパーベターになろう!』は、どのような本なのでしょうか。

マクゴニガル:今回の本は、個人がゲームからどのような恩恵を受けられるか、という点にフォーカスをしています。1冊目の『幸せな未来は「ゲーム」が創る』は、社会全般を助けるためにゲームを使うというものです。今回の本は、個人がもっと成功したり、もっとハッピーになったり、もっと健康になるためにゲームを使うことについて書きました。

瀧本:確かに、何をしたらいいのかという話が結構、たくさん書いてあります。具体的な提案がたくさんあり、すぐに使えるという感じが強いように思いました。

マクゴニガル:いくつかの小さなチャレンジをすることで、そこから学んだり、成功したりできるということを書いたつもりです。

瀧本:主に、どういう人にこの本を買ってほしいと思っていますか。

マクゴニガル:日本人の仕事に対するエンゲージメント(愛着)についての調査結果を見たことがあります。91%の人が今の仕事に愛着を持っていないという調査結果でした。自分の仕事に対して前向きな気持ちになれていないとか、自分の仕事に意味が見いだせない、目的が感じられないという人たちが91%もいるというのは、多すぎるように思います。また、84%の人がうつ状態や不安によって仕事のパフォーマンスが落ちているのだそうです。

ぜひそうした人に読んでもらいたい、と思っています。

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