フランス人絶賛!日本の美術館の意外な魅力

ポップカルチャーや新幹線より価値高い

「箱根 彫刻の森美術館」はソフィーさんおすすめの美術館の一つ (写真:チルド/PIXTA)
フランス出身の美術史家、ソフィー・リチャード氏にとって、日本は「美術マニア垂涎の地」だ。美術館の数が驚くほど多いうえ、それぞれのレベルもレベルが高い。ところが、そのほとんどが外国人に知られていないという。『フランス人がときめいた日本の美術館』の執筆者でもある同氏に、日本の美術館の魅力について聞いた。
英語でのインタビューはこちら

英語サイトがない美術館も少なくない

──東京・代官山にある旧朝倉家住宅がお好きだそうですね。

東京・代官山にある旧朝倉住宅でインスピレーションを得た(写真:江戸村のとくぞう/Wikimedia)

この本を書くきっかけとなった特別な場所です。代官山というトレンディな街の中に、突然現れるポケットのような場所。美しい庭園に恵まれたとても静かな場所なのに、ほかの美術館のように何時間も並ぶ必要がない。実は偶然見つけたのですが、まだ情報がないために、私たちが知る由もないこんな場所が日本には多くあるのではないかと思いました。

その後、幸運なことに(ベネッセホールディングス最高顧問の)福武總一郎さんに話を聞く機会があり、瀬戸内海の直島にも二度訪れてその体験を記事にしました。旧朝倉家のような古いものから直島のような場所まで、日本には書く題材が山ほどある。ただ日本人は当然、こうした情報は知っているだろうから、最初から外国人向けに書くつもりでした。

──日本の美術や文化をそこまで深く知りたい、というニーズが欧米人にあるのですか。

米国人の教授が34年前に日本の美術館について本を書いていますが、日本の美術館ガイドはありませんでした。英語サイトがない美術館も多く、そもそも情報自体が少ない。しかも日本には山ほど美術館があるので、普通はどこから調べたらいいのかもわかりません。

そこで、自分が訪れて面白いと感じた場所を選び、その美術館に関する情報だけではなくストーリーを加えることにしました。そこから4年がかりで各美術館の館長やキュレーターなどに話を聞いて回りました。

これは単なるガイド本ではなく、私自身が友人や美術に関心のある人に教えたいと思うガイドです。ここに行けば絶対面白い時間を過ごせる、というところを厳選しています。

日本が海外に対して「公的」にプロモートしているのは、ポップカルチャーや桜、富士山、新幹線など非常に限られいる。私は、それにフラストレーションを感じていました。だから、それよりは深くて広い、よりエレガントな側面を紹介したかったのです。

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