なぜ欧州の観光客は日本よりタイを選ぶのか

アトキンソン氏「距離より深刻な問題がある」

訪日外国人観光客4000万人を達成するために、今後日本が取るべき「攻め」の戦略を、デービッド・アトキンソン氏が解説する(撮影:尾形 文繁)
「日本を訪れる欧州の観光客は、日本の潜在能力と比べて驚くほど少ない」
たとえば、ドイツからの訪日観光客数は年間約16万人。それに対し、タイへは年間約72万人のドイツ人が訪れている。ここには「欧州は遠すぎる」などという理由ではなく、日本の「受け身」の観光戦略が影響しているという。
今後日本が取るべき「攻め」の戦略を、書籍『新・観光立国論』や、その続編『国宝消滅』などで日本の観光政策に関する提言を続けているイギリス人アナリスト、デービッド・アトキンソン氏が解説する。

日本に必要な新しい観光PRとは

ベストセラー『新・観光立国論』に続く、観光立国の必読書! 国宝をはじめとした文化財が陥っている「窮地」を明らかにするとき、日本経済再生の道が見えてくる。規格外の知的興奮!

日本政府が掲げる「2020年に訪日外国人観光客4000万人」という目標を確実に達成するためには、従来の考え方を変える必要があるということを、全国の講演会などでお話しさせていただいております。

そう聞くと、これまでの観光PR、マーケティングを否定しているような印象を受けるかもしれませんが、そうではありません。ただ、より戦略的でデータサイエンスに基づいたマーケティングが必要となってくるということを申し上げたいのです。

たとえば、自治体の観光PRを例にあげましょう。県知事や観光の担当者が中国や韓国を訪れて、地域の魅力を伝えているという話をよく聞きます。先月も和歌山県の仁坂吉伸知事が、インドネシアと香港を訪問した際に、現地で観光誘致に尽力されたという報道がありました。

これはこれで非常に有効なPRであり、ぜひ他の自治体も力を入れていただきたいと思うのですが、さらに戦略的な視点が必要になってくると思います。

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