成熟期を迎え、第2の成長期へ向けて、模索を続けている日本の大企業。今回ご登場いただくのは、そんな日本企業に変革をもたらすことを期待され、派遣された社費留学生、コロンビアビジネススクールに留学中の川本暁彦さん(36)。
商社マンを父に持つ川本さんは、エジプト、オーストラリア、アメリカと、18歳まで海外で育った。この国際体験を日本に活かしたいと、大学卒業後、博報堂に入社。外資系企業のブランドマーケティングや、ダイレクトマーケティング事業開発などで活躍した。
社費留学のチャンスを待ち、34歳でのMBA留学となった。
「30代半ばでMBA留学するということは、働き盛りに仕事の現場を離れることを意味します。だからこそ、より価値ある2年間にしたい」という川本さん。コロンビアへの留学で、「博報堂という大企業の中で、自分がやりたいこと」が明確になってきたという。
2011年9月入学生の日本人は、川本さんただ1人。”日本代表”として、ニューヨークで奮闘中の川本さんに話を聞いた。
「第2の創業」ができる企業、できない企業
コロンビアビジネススクールは、ニューヨークという土地柄、毎日のように各界のトップが来校し、講演している経営大学院として有名だ。
通常の授業の一環として行われる講演はもちろんのこと、全学生が参加できる特別講演会も頻繁に開催されている。
川本さんが2011年9月に入学してまもなく、特別講演会のスピーカーとして招かれたのが、IBMの前CEO、サミュエル・パルミサーノ氏だった。
パルミサーノ氏は、2003年からおよそ9年間にわたって、IBMのCEOを務めたカリスマ経営者。
『巨象も踊る』(日本経済新聞出版社)の著者としても有名なルイス・ガースナー氏の後任として、CEOに就任。IBMに大変革をもたらしたリーダーとして知られる。ハードウエアメーカーから、ソフトウエアサービス企業へと大転換させた立役者だ。
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