節税と資産フライトの真実、教えます 富裕層のシンガポール移住は損か得か

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「明るい北朝鮮」と呼ばれるシンガポール

シンガポールは治安が良くて市内のどこを見てもきれいだが、ガムを捨てても唾を吐いても罰金を払わなければならないのは有名である。たばこを吸う場所は屋外にしかないので愛煙家にとっては困った国家である。だが、嫌煙権が確立されているので、どこに行ってもたばこで嫌な思いをすることは一切ない。

リークアンユー元首相が街を歩いていて偶然、街に捨てられたチューインガムを踏みつけたことからリー氏はチューインガムの販売そのものを禁止してしまったエピソードがある。街にポスターや落書きは一切ない。だから街の佇まいがすっきりしている。

治安面では有名な話だが、アメリカ人の18歳の少年がいたずらで車にスプレーで落書きをしたことにより、シンガポールの少年法でむち打ち刑になった事件があった。当時のクリントン大統領は嘆願書を出したが、シンガポール政局は一切無視してむち打ち刑(4回)を遠慮なく行った。その意味では徹底した管理社会であるから「明るい北朝鮮」とも呼ばれている。

シンガポールにも四季はあるという日本人がいる。ただし、シンガポールの四季は3つしかないと彼らは言う。良く聞くと「Hot、Hotter、Hottest」だといって笑っている。平均気温は26~27℃、最高気温は32~33℃程度であるうえ、海からの風が爽やかなので「ガーデン・シティ」といわれ、日本の夏より過ごしやすい。

また、年間降雨量は2000~2500mmと日本(1500~2000mm)より多いがスコールなので、短時間(数分~数時間)の降雨で終わるのが一般的だ。むしろ雨が降ることで涼しくなり過ごしやすい。最近の日本は震災などの天災や原発問題があるので心配が増えているが、シンガポールには天災リスクが低く原発もないので環境面でも安心である。

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