シンガポールで再び三菱商事について考えた

日本にとってグローバル化は損か得か?

前々回の「三菱商事の主力部門シンガポール移転」や前回の「節税と資産フライトの真実」について、多くの問い合わせやお叱りのご意見をいただいた。

憶測情報や、私の1次情報が誤解を与えてはいけないと考え、現地に行って再度調査をした。今回は、その結果の報告も踏まえ、改めて、日本や日本人にとってのグローバル化とは何か、また、グローバル化といえば聞こえはいいが、グローバリゼーションが本当に日本人にとってプラスになるのかを考えてみたい。

シンガポールに飛んで、再度三菱商事について考えた

前回までのコラムで、特に「三菱商事の金属資源部門の移転は、節税対策でもあるのではないか?」という私の仮説に、複数の意見を頂戴した。そこで、改めてシンガポールに飛び、調査をしてみた。確かに、シンガポールに移転すれば節税にはなるのだが、節税だけが目的ではない実態と、前回書けなかった、もっと合理的な理由を、読者の皆さんにお知らせしたいと思ったのだ。

まず、移転企業を受け入れるシンガポール政庁の通産省の所轄部門であるIES (国際企業発展局)のエリートと面談することができた。シンガポールの通産省は、1)多国籍企業誘致のためのインセンティブ強化、2)研究開発分野の充実、3)高付加価値産業界が求める技術を持った人材の提供、4)技術革新を進める環境作りという4つの側面から施策を実施している。

特に1)では、これまでの伝統的な税制優遇措置や補助金制度にとどまらず、シンガポール政府が資本参加することによって、進出企業のリスク負担を軽減するというインセンティブまで試みられている。IESの担当者は若手のエリートぞろいで、市場分野ごとに担当者を配置しており、今回の面談相手も、日本のことも世界の金属資源のことも熟知していた。

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