日本では乗れない!欧「格安」高速列車の凄さ パリ北~ブリュッセル間を乗車してみた
LCC(格安航空)の鉄道版ともいえるローコストトレインがヨーロッパの各地で運行している。2012年にイタリアNTV社が高速列車「itaro」(イタロ)を引っ下げ、イタリア鉄道の牙城だったミラノ~ローマ間などのドル箱路線に参入。ドイツ、チェコなどでも複数社が競合して価格競争が勃発した。そして2013年にはTGVを要するフランス国鉄傘下の「OUiGO」(ウイゴー)が運行開始した。欧州の鉄道はいま「ローコスト」に傾いている。
今年4月3日には新たにパリとブリュッセル間および、アムステルダム、ケルンなどを結ぶ国際高速列車「THALYS」(タリス)を運行するタリス・インターナショナル社が、パリ北駅からブリュッセル南駅間に「izy」(イージー)の運行を開始した。
わずか10ユーロで乗車可能
運行に先立つ3月1日、同社のアニオス・オジェCEOは、「われわれは新しいソリューションで新しい一歩を踏み出す。スピードを削減し、サービスは最小限で簡素化した低価格の旅だが、それでもより安全で可能な限り快適にする」とイージー運行を宣言した。
タリスとイージーの大きな違いは、運賃と所要時間だ。タリスにも早割などがあるが、タリスの一般的な運賃はパリ~ブリュッセル間が99ユーロ(1ユーロは約119円)。1等にあたるコンフォート1クラスは同149ユーロで供食サービス(運行時間により、朝、昼、夕、軽食)付きとなっている。
一方、イージーはスタンダードクラス(2等)が29~59ユーロ、追加10ユーロでスタンダードXL(1等)車両へのグレードアップが可能(子供料金は10ユーロ)。
そして販売数は1列車あたり10名分と制限のあるものの、わずか10ユーロでビュッフェカーでの立ち席に乗車できる。ちなみにイージーのビュッフェは営業しない。さらに25席あるデッキの補助いすへの乗車であれば、料金は15ユーロだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら