全国346路線「10年間の鉄道自殺」ランキング

地下鉄や地方路線含め1件単位まで全公開

自殺の防止・抑止策として有効なホームドア設置は全国的にはまだ進んでいない

前回の鉄道自殺数ランキングの記事は各方面から大きな反響を呼び、ランキング外の路線の状況をぜひ知りたいという声が多かった。そこで今回は、予定していた駅・駅間の自殺数を変更して、全国346路線の自殺数(未遂を含む)を一挙公開する。期間は2005年度から2014年度までの10年間分で、計6014件の鉄道自殺を集計した。

集計に使ったのは、国土交通省への行政文書開示請求によって入手した「運転事故等整理表」。これは、人身事故や自然災害などによって遅れや運休が発生したときに、鉄道会社が報告した内容を同省がまとめたものだ。

人身事故に関しては、事故の一つひとつについて、発生日時、事業者名、路線名、場所(駅および駅間)、原因、概要などが記録されており、いつ・どこで・どのような事故があったのかを網羅的に知ることができる。

10年間に発生した人身事故は1万2304件

たとえば、東急大井町線の荏原町駅で今年5月、中学生2人が同時に飛び込んだ事件は記憶に新しい。同駅では2014年4月にも人身事故が発生しており、国土交通省には次のように報告されている。

「運転士は速度約58km/hでブレーキ2段投入し進入中、前方約33mのホーム上から飛び込んでくる旅客を発見、直ちに非常ブレーキの投入と同時に気笛吹鳴を行ったが及ばず、列車前面下部に接触し、約77m進行して停止した。(事件性なし、警察見解)」

運転事故等整理表は概要をこのように記した後、運行への影響は運休34本、遅延52分、最大遅延93分だったことを述べ、「旅客・死亡」の欄に「1」と記入がある。

同整理表には死亡者の年齢性別の報告がないか、あるいは「死亡者:●●才●●」と黒塗りされるのが通例だ。上記の荏原町駅の事故も年齢性別は書かれていないが、事故後の警視庁への取材で59歳男性と判明している。記載された原因は「自殺」だ。

集計した10年間に発生した人身事故は全国で1万2304件あり、未遂を含めた自殺は6014件。人身事故の約半数が自殺だったことがわかる。

しかし、国交省に報告される鉄道自殺をめぐっては、問題が2つ存在することがわかっている。

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