絶好調のツルハが低価格路線で勝負 「消費増税はチャンス」と意気込む鶴羽社長

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縮小

また、既存のドラッグストアでは今下期からEDLPを強化していく。近年効果が薄れつつある折り込みチラシは、回数や規模を徐々に縮小。セールを打たずとも顧客に「いつ来ても安い店」というイメージを持ってもらえるよう、目玉商品の価格引き下げを進める。

一方で、「うちは安くしなくていいものまで安くなっていて、(価格設定に)メリハリがない」(鶴羽社長)ともいう。このため、購入頻度の低い一部の雑貨などでは価格の引き上げも行い、「お得感」を損なわない範囲で収益性の維持を目指す構えだ。

「消費増税はチャンス」と鶴羽樹社長は意気込む。消費者のコスト意識のさらなる高まりが見込まれ、低価格路線が強みとなると見るためだ。地盤の北海道、東北ではシェア、利益率ともに高水準であるものの、競合のひしめく関東ではまだ存在感を発揮し切れていない。安さが武器となる“ディスカウント”イメージの確立でさらなる飛躍につなげられるか。ドラッグストアの勢力図は大きな変動の兆しをはらんでいるようだ。

長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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