調剤のポイント付与が一転禁止に ドラッグストア各社の次の手

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厚生労働省はドラッグストアや薬局での処方箋支払時のポイント付与について、原則禁止とする方針を固めた。昨年11月初旬、関係有識者で構成される中央社会保険医療協議会が承認。4月までに療養担当規則(省令)を改正する予定だ。

昨年1月に「規制する法律はない」との判断を示してからわずか1年。一部でポイント付与に懐疑的な声が出ていたこともあり、ここへ来て「保険薬局は懇切丁寧な調剤、服薬指導によって選ばれるべき」と、禁止の方向へ転じた。

突然の方針転換に業界関係者はとまどいを隠さない。かねて「ポイント付与は医療サービスである調剤になじまない」と反対してきた日本薬剤師協会でさえ今回の決定を好意的に受け止めながらも、「ではなぜ昨年の時点で踏み込めなかったのか」(山本信夫副会長)と苦言を呈す。

政府の“お墨付き”を得てポイントサービスを大々的に行ってきたドラッグからは「今さら何を言っているのか」(ツルハホールディングスの鶴羽樹社長)と反発の声が上がる。日本チェーンドラッグ協会(JACDS)の宗像守事務総長も「健康保険法に照らして『問題ない』となったものを、省令で『違反』とすることはできないはず。各社の希望があれば弁護団を組んで訴訟も辞さない」と憤る。

が、JACDSも一枚岩ではない。昨年12月初旬から進めている反対の署名活動も、店頭で利用客に対し広く呼びかける企業がある一方、社員のみの署名や、実施しないケースなど温度差がある。

 

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