起業家ジャーナリズムが伝統メディアを救う 「ギーク」を味方にエコシステムを創造せよ
新聞、テレビを筆頭に、既成メディア産業がインターネットという、あらゆる産業を飲み込んで放さない変化の渦に引きずり込まれ、もがいている。
この過酷さの構図が、わが国を数段上回る厳しさと速さで進展しているのが米国だ。減り続ける収入の下、多くの報道機関、メディア企業が、斃(たお)れるか、あるいは買収再編の波にさらされる一方で、ネットから次々に生み出されたテクノロジーの尖兵たちの攻勢にも、刻一刻と対応を迫られている。
起業家ジャーナリズムとは何か?
そこに処方箋を与える書がある。『デジタルジャーナリズムは稼げるか』だ。この書は、大手メディアに対してはもちろん、グーグルやフェイスブックといったテクノロジー強者にも、恐れを知らぬ、独立独歩の言論をなしてきた著者ジェフ・ジャービスが、ジャーナリストやメディア企業の経営者らに与える最新の処方箋である。
著者は、その足どりに自信を失いがちな現代のジャーナリストらに、「起業家ジャーナリストたれ」と檄を飛ばす。
「ジャーナリズムの未来はイノベーション(革新)からしか生まれないし、(そこから)私たちはジャーナリズムを存続させるための手立てを見つける必要がある」という立場の著者からすれば、なによりもジャーナリズムの「イノベーション」が重要であり、それを成し遂げる存在こそ起業家的ジャーナリストというわけである。
では、なにをどう「革新」するのか? 「デジタル・ジャーナリズムは稼げるか」と書名にあるように、ポイントは「デジタル」を味方につけ、その可能性を駆使することにある。
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